【文部科学省】新たな教育振興基本計画が閣議決定されました。

教育人財開発機構 編集部 2023.06.21

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【文部科学省】新たな教育振興基本計画が閣議決定されました。
第3期教育振興基本計画期間中には、新型コロナウイルス感染症の感染拡大と国際情勢の不安定化という予測困難な時代の象徴ともいうべき事態が生じ、我が国の教育の課題が浮き彫りになるとともに、学びの変容がもたらされた。少子化・人口減少、グローバル化の進展、地球規模課題、格差の固定化と再生産など、様々な社会課題が存在する中、Society 5.0 を見据え、これからの社会を展望する上で、教育の果たす役割はますます重要となっている。

本計画は、コンセプトとして「持続可能な社会の創り手の育成」及び「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」を掲げ、5つの基本的方針と 16 の教育政策の目標、基本施策及び指標を示している。政府としては、本計画に基づき、各省庁が連携して、今後の教育政策を着実に推進する。また、各地方公共団体においても、本計画の方針や施策を実効性のあるものとするために、政府の基本計画を参酌しつつ、その地域の実情に応じた適切な対応がなされるよう期待したい。
新たな教育振興基本計画 【概要】 (令和5年度~9年度)

次期計画のコンセプト
2040年以降の社会を見据えた持続可能な社会の創り手の育成

・将来の予測が困難な時代において、未来に向けて自らが社会の創り手となり、課題解決などを通じて、持続可能な社会を維持・発展させていく
・社会課題の解決を、経済成長と結び付けてイノベーションにつなげる取組や、一人一人の生産性向上等による、活力ある社会の実現に向けて「人への投資」が必要
・Society5.0で活躍する、主体性、リーダーシップ、創造力、課題発見・解決力、論理的思考力、表現力、チームワークなどを備えた人材の育成

日本社会に根差したウェルビーイング(※)の向上
・多様な個人それぞれが幸せや生きがいを感じるとともに、地域や社会が幸せや豊かさを感じられるものとなるための教育の在り方
・幸福感、学校や地域でのつながり、利他性、協働性、自己肯定感、自己実現等が含まれ、協調的幸福と獲得的幸福のバランスを重視
・日本発の調和と協調(Balance and Harmony)に基づくウェルビーイングを発信
※身体的・精神的・社会的に良い状態にあること。短期的な幸福のみならず、生きがいや人生の意義などの将来にわたる持続的な幸福を含む概念。

今後の教育政策に関する基本的な方針
1.グローバル化する社会の持続的な発展に向けて学び続ける人材の育成
2.誰一人取り残されず、全ての人の可能性を引き出す共生社会の実現に向けた教育の推進
3.地域や家庭で共に学び支え合う社会の実現に向けた教育の推進
4.教育デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進
5.計画の実効性確保のための基盤整備・対話

今後5年間の教育政策の目標
1.確かな学力の育成、幅広い知識と教養・専門的能力・職業実践力の育成
2.豊かな心の育成
3.健やかな体の育成、スポーツを通じた豊かな心身の育成
4.グローバル社会における人材育成
5.イノベーションを担う人材育成
6.主体的に社会の形成に参画する態度の育成・規範意識の醸成
7.多様な教育ニーズへの対応と社会的包摂
8.生涯学び、活躍できる環境整備
9.学校・家庭・地域の連携・協働の推進による地域の教育力の向上
10.地域コミュニティの基盤を支える社会教育の推進
11.教育DXの推進・デジタル人材の育成
12.指導体制・ICT環境の整備、教育研究基盤の強化
13.経済的状況、地理的条件によらない質の高い学びの確保
14.NPO・企業・地域団体等との連携・協働
15.安全・安心で質の高い教育研究環境の整備、児童生徒等の安全確保
16.各ステークホルダーとの対話を通じた計画策定・フォローアップ

関連資料
教育振興基本計画(本文)(PDF:1MB)
教育振興基本計画(概要)(PDF:1MB)

解説動画
渡邉光一郎・前中央教育審議会会長「答申ポイント解説」(Youtubeへリンク)
内田由紀子・中央教育審議会委員「計画ポイント解説~ウェルビーイング編~」(Youtubeへリンク)

中央教育審議会答申及び審議経過
次期教育振興基本計画について(答申)(※PDF)
次期教育振興基本計画について(答申)(概要)(※PDF)
参考資料・データ集(※PDF)
中央教育審議会教育振興基本計画部会での審議経過