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【東京医科歯科大学】医療・ヘルスケア系ベンチャー・スタートアップ10社と学生の未来の多様性実現にむけた教育連携体制を構築

教育人財開発機構 編集部 2022.09.21

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【東京医科歯科大学】医療・ヘルスケア系ベンチャー・スタートアップ10社と学生の未来の多様性実現にむけた教育連携体制を構築
東京医科歯科大学では、学生が医療・ヘルスケア系ベンチャー・スタートアップにインターンシップとして応募・参画し、教育カリキュラムとしての単位を取得できる制度がスタートした。これまでに計18名の学生が参加し、今後もさらなる発展を見込んでいる。
東京医科歯科大学では、2022年度から、全学部学生が多種多様な医療・ヘルスケア系ベンチャー・スタートアップにインターンシップとして応募・参画し、教育カリキュラムとしての単位を取得できる制度がスタートした。これまでに計18名の学生が単位取得型インターンシップに参加し、今後もさらなる発展を見込んでいる。

これまで東京医科歯科大学では、2019年に臨床医学教育開発学分野(山脇正永教授)から医学部医学科学生1名が自由研究期間の一部(3か月)の期間を用いて単位取得型インターンシップを行った実績がある。

今回この制度を大きく発展させ、さまざまな課題に取り組む多種多様な医療・ヘルスケア系ベンチャー・スタートアップ10社との教育連携体制を構築した。これにより、さまざまなベンチャー・スタートアップのミッション・ビジョンに強く共感した学生が、自由研究期間や卒業研究期間などのカリキュラムを利用してインターンシップに応募・参画し単位を取得できるようになった。この取り組みは、2020年度東京医科歯科大学大学改革アイデアコンテスト優秀賞『医科歯科大の学生の教育と未来に多様性を!より多くの学生にヘルスケア企業、ベンチャー・スタートアップでの研修のチャンスを与えるための産学官連携エコシステムの構築』のアイデアに基づき、統合教育機構(機構長:若林則幸)の支援を受け、単位修得型の新しいプログラムとして制定された。

このプログラムは、新たな知見を誰よりも早く発見し、より多くの患者の幸せに寄与する医歯学系研究と、社会課題解決に熱意とスピード感をもって挑戦し、よりよい社会を構築するために活動するベンチャー・スタートアップに共通点を見出し、学生の熱意と共感を前提としたベンチャー・スタートアップでの活動が学生教育およびベンチャー・スタートアップ双方に対しプラスに寄与するという仮説のもと、進められている。

本インターンシップの特徴として、参画するベンチャー・スタートアップの取り組みを事前に把握し、検討課題を前もってディスカッションしたうえで、実際にカリキュラム期間内に企業の取り組みやマインドを肌で体感しながら、取り組みに関する課題や仮説などを抽出、研究課題を策定し解析も行う。研究成果についてはベンチャー・スタートアップの担当者や担当教員のサポートのもと、秘密保持契約等コンプライアンスを遵守しつつ他の学生と同様発表・レポート提出を行い、成績が評価され、単位が付与される。なお、現行のカリキュラム期間で十分に時間が確保できない学科については、自由科目として夏休み期間などを使ってインターンシップに応募・参画することができる。

昨年度は医学部医学科4年生4名がプロジェクトセメスター※(自由研究期間)のカリキュラム全期間を通じて4社のベンチャー・スタートアップで5か月間のインターンシップを完了し、単位が付与された。2022年度は、医学部医学科4年生5名のほか、医学部保健衛生学科検査技術学専攻4年生5名(卒業研究期間8~9か月)、歯学部歯学科4年生2名(自由研究期間2~3か月)、歯学部口腔保健学科口腔保健衛生学専攻4年生1名(卒業研究期間4か月)が単位取得型インターンシップに挑戦中だ。

2021年度医学部医学科4年プロジェクトセメスター期間に株式会社T-ICUで単位取得型インターンシップを行った学生(現医学科5年)のコメント:
「さまざまな分野のプロフェッショナルが集う、T-ICUで過ごした5か月間のインターンシップは、毎日が学びの連続であり、大変充実した時間でした。日々社員の皆様の優秀さに圧倒され、『自分が無知であること』を実感していましたが、そのようなハイレベルな環境に身を置くことができたことを幸せに思っています。加えて、成長していくベンチャー企業ならではの勢いを肌で感じ、一つの会社が大きくなっていく過程を実際に見て経験できたことは、本当に貴重な機会となりました。このように会社の中で学ぶという、とても有意義な体験ができるので、ぜひ今後も多くの学生に挑戦してもらいたいと思います。」

株式会社T-ICUの中西智之代表取締役のコメント:
「今回参加された学生さんは、ビジネスを大局的に理解しながらも“日本の集中治療科医不足”という目前の課題を解決するという強い意思の下で遠隔ICUの定性的・定量的な分析をされ、その成果はとても充実した内容であったと感銘を受けました。また、普段とは違う環境を楽しみ、活き活きと取り組まれる姿も印象的で、ひたむきな情熱、柔軟な視点から、私たちも刺激と気づきを得ることができました。このように、学生もベンチャー企業も互いに実りあるインターンシップが実現できたのは、大学側の力強いサポートと連携の賜物であると感じ、心から感謝しています。今後、より多くの学生の方が制度を活用されるよう願っています。」

なお、2022年6月時点の協力ベンチャー・スタートアップ企業は以下の通り(順不同)。

アイリス株式会社 ( https://aillis.jp/ )
アンター株式会社 ( https://corp.antaa.jp/ )
AMI株式会社 ( https://ami.inc/ )
サスメド株式会社 ( https://susmed.co.jp/ )
Holoeyes株式会社 ( https://holoeyes.jp/ )
TXP Medical株式会社 ( https://txpmedical.jp/ )
WHITE CROSS株式会社 ( https://whitecross.jp/ )
株式会社iMed Technologies ( https://imed-tech.co.jp/ )
株式会社Medii ( https://medii.jp/ )
株式会社T-ICU ( https://www.t-icu.co.jp/ )

【まとめ】
本取り組みにより、学生が大学という医療・研究機関外に飛び出して社会の中で経験と学びを得ることで、学内では決して得られない新しい視点や考え方を獲得し、それにより“自己変革”が促され、学生の未来に多様性が生まれることが期待される。さらに、連携ベンチャー・スタートアップとしても学生のエネルギーと熱意に刺激を受け、事業の発展が促進されることが期待され、学生およびベンチャー・スタートアップ双方にプラスとなるエコシステムのさらなる構築を進めていく。

※プロジェクトセメスター
医学科4年次6月~11月に医科歯科大内や海外の大学の研究室で研究活動を行う期間。当該期間は授業など他のカリキュラムは一切行われず、学生が研究に集中できる期間として設定されている。

<参考資料>
厚生労働省における 医療系ベンチャー支援策について
(参考:医療系ベンチャー企業への学生インターンの短期交流の施策(p.9))
https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/000507447.pdf