【文部科学省】大学等における求人公募に係る申請手続きのオンライン化等を推進

教育人財開発機構 編集部 2021.02.17

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【文部科学省】大学等における求人公募に係る申請手続きのオンライン化等を推進
文部科学省は、教育研究の中心を担う教員等に優れた人材を確保するため、大学等における求人公募に係る申請手続きのオンライン化等を推進する。実際の取組事例を紹介し、各大学等にはオンライン化について組織内に遺漏なく周知すること、組織全体として取組を推進することを求める。
大学等における求人公募に係る申請手続きのオンライン化等の推進について

各大学等(大学、高等専門学校及び大学共同利用機関をいう。以下同じ。)における教員等の人事は、関係法令等に基づき、各大学等がその責任において適正に行い、各大学等が自ら改善の努力を行っていくことが基本となる。各大学等がそれぞれの理念・目的に基づき、多様で個性ある教育研究を推進していくためには、大学等の教育研究の中心を担う教員等に優れた人材を確保し、これらの者がそれぞれの役割に応じて能力を最大限に発揮できるよう、教員等の人事の在り方について不断の検証等を図っていくことが求められる。

文部科学省では、これまで、各大学及び大学共同利用機関に対して「大学等における求人公募のオンライン化の推進について」(令和元年5月28日 文部科学省高等教育局大学振興課・高等教育局国立大学法人支援課・高等教育局私学部私学行政課・研究振興局学術機関課 事務連絡)等を通じ、求人公募における応募・面接のオンライン化の推進に努めていただくよう周知していたところだが、今般、各大学等の一部に対し、取組状況について調査を行い、別紙のとおり取組事例等を改訂したので、高等専門学校も対象に加え、改めて周知する。

国公立大学法人におかれてはその設置する大学等に対して、独立行政法人国立高等専門学校機構におかれてはその設置する高等専門学校に対して、大学及び高等専門学校を設置する地方公共団体及び文部科学大臣所轄学校法人におかれてはその設置する大学等に対して、大学を設置する学校設置会社におかれてはその設置する大学に対して、大学共同利用機関法人におかれてはその設置する大学共同利用機関に対して、下記について周知されるようお願いいたします。

 


各大学等においては、別紙に示す事例等も参考にしながら、教員等の求人公募に係る申請手続きにおいて、申請者の事情に応じた柔軟な対応を図るため、オンライン化を活用した公募申請手続を取り入れるなど、公募申請する教員等及び大学等の双方にとってより望ましい取組を模索し、教員等の求人公募手続きの不断の検証等を進めていただくようお願いいたします。

特に、国立の大学等においては、「行政手続きにおける書面主義、押印原則、対面主義の見直しについて」(令和2年12月1日 文部科学省大臣官房長 事務連絡)等を踏まえ、公募申請する教員等の希望に応じて電子的な申請手続きを認めるなど柔軟な対応を図るよう積極的な検討・見直しをお願いいたします。

なお、面接等の選考過程における電子化・オンライン化についても、新型コロナウィルス感染症の感染対策の一環として取り組まれている事例があり、申請者側・審査側にとって、面接のための移動時間・費用等の負担軽減にもつながるなどのメリットがあるとの報告もあることから、海外等遠隔地からの申請者への対応や面接の一部をオンライン化することなどを含め、各大学等においては優れた教員等の確保に向けた教員等の人事の在り方について不断の検討をお願いいたします。

また、上記求人公募の具体的な手続については、各大学等の各部局や、教員等による選考委員会等の裁量に委ねられている場合等も多いと考えられることから、各大学等においては、本事務連絡の内容について組織内に遺漏なく周知するとともに、組織全体としての取組を推進いただくようお願いいたします。



 
【別紙】
大学等における求人公募に係る申請手続きのオンライン化等の取組事例・効果
(文部科学省調べ)


○応募の受付方法について
・オンライン応募について、一律郵送とするのではなく、
(例1)郵送による応募とオンラインによる応募を選択可能としている。
(例2)郵送を原則としつつ、一定の条件(例:海外在住者)を満たす場合にはオンライン応募を可能としている。

・オンラインによる応募書類の提出方法としては、
(例1)e-mailアドレスでの受付を行い、応募者がパスワード設定することで対応している。
(例2)イノベーション創出を担う研究人材のためのキャリア支援ポータルサイト「JREC-IN Portal」のWEB応募機能を利用して受付を行っている。
【参考】その他JREC-IN Portalでは,Web応募のメリットや注意事項などについて、求人機関向けに紹介するページなどを設けていますので、ご参照ください。
https://jrecin.jst.go.jp/offer/html/help_detail/katsuyou/loginato/agency00.html

・提出された資料は、セキュリティの高い独立したフォルダに格納し、アクセスを制限している。

・容量が大きいデータの受付については、オンラインストレージを活用している。

・オンラインによる受付の場合、受信確認を必ず行うことにより、システム障害による不着のリスクの回避を図っている。

・審査に必要な業績資料(書籍等)で電子化が困難・非効率なもののみ紙・郵送とし、それ以外は電子で対応する。

・書類の提出は原則オンライン化しつつも、原本が必要な書類(例:最終学歴の卒業証明書等)については、応募時ではなく最終選考時もしくは採用時までに提出させている。

・選考の段階では署名・押印は必須としない。

・電子署名サービスを導入し、履歴書や研究業績目録等に記載する自筆署名を電子署名で代替可能としている。

・厳封が必要な推薦状については、応募者本人からの郵送を基本としつつ、推薦元の教授等から大学にメール等で直送することを認めている。


〈参考〉面接の方法について
・テレビ会議システムやビデオ通話ツール等を用いたオンライン面接を一律に不可とするのではなく、
(例1)最終面接は対面を原則としつつも,海外在住者については,1次面接はオンライン面接を可能としている。
(例2)職階・職種や雇用形態の違いを踏まえて柔軟に対応している。

・以下のようなメリットがあるため、Zoom等を用いてオンライン面接を導入している。
(例1)地理的な制約を受けないため海外からの応募が容易になり、ひいては優秀な人材の確保に繋がる。
(例2)面接会場までの移動費がかからない。
(例3)面接の日程調整が容易となり、選考に係る時間を短縮できる。
(例4)郵送に係るコストの削減やペーパーレスでのやり取りによる省資源化及び連絡・確認の迅速化につながる。
(例5)選考委員会に外部委員を含む場合、外部委員の居住地の考慮が不要になることや、面接等の時間設定もより融通が利くようになる。
(例6)往来が避けられることにより新型コロナの感染リスクを抑えられる。

・オンライン面接で模擬授業等を行う場合に課題が見られたり、雰囲気・人となりを十分把握しにくいといった課題もあったりするが、以下のような工夫を行う大学もある。
(例1)面接官の人数を増加させることで、応募者を複数人の視点から見極められるようにしている。
(例2)質問の仕方を工夫することで、より多くの情報を得られるように努力をしている。